主の日が来る

マタイ福音書24章3~31

 

 

「そのことはいつ起こるのですか。また、あなたが来られて世の終わるときには、どんな徴があるのですか。」(24:3)

「その日、その時は、だれも知らない。‥・ただ、父だけがご存じである。」(24:36)

いろんな説明をする人が出て来るが、「終わりの日」がどのように来るのか、どんな前兆があるのか、誰も分からない。

「稲妻が東から西へひらめき渡るように、人の子も来る」(24:27)

キリストが再び来られる時、どこに来られるか知らなかったら、気づかないのでは、という問いに対する答えです。
誰の目にもはっきり分かる。
だから、どんな徴があるか、いつ起こるか、今がその時だ、という説明を信じてはならないというのです。

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「太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる。」(24:29)

こういう表現は、紀元前2世紀から紀元1世紀に流行した黙示文学の影響を受けています。
黙示文学は、当時の最先端の知識を取り入れながら、月や星の動きを語ります。

新約聖書の「終わりの日」の表現は、ダニエル書の影響を受けています。
紀元前167年に、ユダヤでマカベア革命が起こりましたが、ダニエル書が成立したのはその前後です。
いろんな宇宙的な表象や動物の姿を多用し、印象的な数字をあげながら語っています。

黙示文学は、悪が支配している世界で、義人は苦難にあう。
しかし、正しい人だけが救われる、と考えます。

しかし、これは間違いです。
主イエスは、正しい人だけが救われるとは、おっしゃらなかったのです。

「そのとき、多くの人がつまずき、互いに裏切り、憎み合うようになる。偽預言者も大勢現れ、多くの人を惑わす。」(24:10~11)

これは、迫害ではありません。
教会に混乱や裏切りが起こり、間違った方向に導く指導者が出て来る。

「不法がはびこるので、多くの人の愛が冷える。」(24:12)

主イエスの教えがないがしろにされ、愛の教えが失われる。

「しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる」(24:13)

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社会では、いろんな困難や恐ろしいことが起こる。
教会の中でさえ、対立や裹切りや間違った教えが生まれて、主イエスの愛の教えが軽んじられるようになる。
しかし、あなたは踏みとどまりなさいと、呼びかけられているのです。
(2020年3月8日)

 

 

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