マタイ福音書23章13~36
「あなたたちは不幸だ。」
という言葉が、7回繰り返されています。
「不幸だ」は「ウーアイ」というギリシア語で、
「ウー」といううめき声です。
これは、預言書に出て来る、
「災いだ」(ホーイ)という言葉と重なります。
死者を嘆き悲しむ「アー」「ウー」という叫び声が転じて、神に逆らう人を非難する言葉となったのです。
「白く塗った墓」(23:27)
昔は土葬ですから、遺体は腐っていきます。
墓は汚れており、触れてはならないとされていました。
そこで、間違って墓に触れないように、白く塗って危険を知らせたのです。
しかし、
「死者の骨やあらゆる汚れで満ちている。・・・正しいように見えながら・・・偽善と不法で満ちている。」(23:27~28)
あなたたちは腐り果て、汚れと腐臭、偽りと不法で満ちているというのです。
「律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。」(23:13、15、23、25、27、29)
ファリサイ派の人たちは、きわめて真面目で、模範的に生きようとした人たちです。
しかし、自分の力で頑張ろうとする強情さが、偽りにつながるのです。
自分のありのままの姿を見ようとせず、清く正しく生きることができると錯覚し、
周りの人を縛って、窮屈な生き方を強いるのです。
一昔前の日本のクリスチャンは、ファリサイ派と重なります。
清く正しく生きよう、立派に生きようとして、頑張りました。
力んで正しく生きようとしたのです。
「罪人の私を憐れんでください。」(ルカ18:13)
と胸を打ちたたいて祈った、あの徴税人のように、自分の弱さを認めることが必要なのです。
神は生きて働いておられます。
必ず良い結果に導いてくださると信じて、嘆くことなく、微笑みながら、
与えられた務め、自分の果たすべき役割を果たしていきましょう。
(2020年2月23日)