神が結び合わせてくださったもの

マタイ福音書19章1~12 

 

 

この箇所は、離婚を禁ずる教えとされてきましたが、それは適切ではありません。
主イエスはここで、何を語ろうとされたのでしょうか。

「人が独りでいるのは良くない。」(創世記2:18)

「良い」(トーブ)は、創造物語のキーワードです。
神は日々創造の業を終えて、

「良しとされた。」(創世記1:10、12、21、25)

そして、6日目には

「神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。」(創世記1:31)

ですから、人が孤立して生きるのは、神の御心ではない、というのです。

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「彼に合う助ける者を造ろう。」(創世記2:18)

「助ける者」(エゼール)は、「助手」とか「補助者」ではなく、助け主としての神について使われる言葉です。

「そして、人から抜き取ったあばら骨で女を造り上げられた。」(創世記2:22)

共感し合える存在を得て、アダムは「これこそわたしの分身だ」、と喜び歌います。

「こういうわけで、男は父母を離れて女と結ばれ、二人は一体となる。」(創世記2:24)

「結ばれる」は、神に従う者と神との関係を表す時に使われる言葉です。
そして「一体となる」、
一つの体として互いに補い合い、緊密な関係になるのです。

こうした創造物語が伝えている神の御心を忘れて、
離縁状を書けば良いと考えるのは、とんでもないことだ、と言われたのです。

ところで、12節に分かりにくい言葉が出て来ます。
「結婚できないように生まれついた者」とは、
生まれつき男性としての能力を持たない人、
性的マイノリティーです。

「結婚できないようにされた者」とは、「去勢された者」です。
「天の国のために結婚しない者」とは、福音のために結婚しない人です。
「去勢された者」「去勢する」という言葉が、ここで4回出てきます。
子孫を残すことがない、呪われた存在です。

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「だれもがこの言葉を受け入れるのではなく・・・」(19:11)

そこまで女性を大切に扱うと男の立場がない、と弟子たちはぼやきました。
それに対して、「わたしの言葉を聞いて納得するのは、こうした侮られてきた人たちだけだ。」と言われたのです。

そして、

「子供たちを来させなさい。」(19:14)

これには、間違いなく「離縁された女性」や「去勢された者」が含まれています。
そういう「小さな者」「子供」を、主イエスは大切に扱い、
神の祝福を約束なさったのです。
(2019年9月20日)

 

 

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