光り輝く雲を貫く声

マタイ福音書17章1~13

 

「『これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け』という声が雲の中から聞こえた。」(17:5)

これは、

「あなたはメシア、生ける神の子です」(16:16)

というペトロの言葉を受けています。

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「これに聞け」は、六日前に主イエスが語った言葉を受けています。

「エルサレムに行って、長老、祭司長、律法学者たちから多くの苦しみを受けて殺され、三日目に復活する」(16:21)

あなたがたは、「苦しみを受けて、殺される」と聞いても、そんなことがあってはならない、と考えている。
しかし、「苦しみを受けて、殺される」、という主イエスの言葉をしっかり受け止めなさい、という意味の言葉です。
メシアである主イエスは、指導者たちを屈服させ、ローマの兵士たちを蹴散らして、栄光の座に着く。
そう考えている弟子たちの思いを、光り輝く雲を貫く声が覆したのです。

「なぜ、律法学者は、まずエリヤが来るはずだと言っているのでしょうか」(17:10)

メシアが現れる前にエリヤが遣わされると言われていたので、
「あなたがメシアなら、どうしてエリヤは来ていないのですか」、
と弟子たちが尋ねたのです。

主イエスが言われた。
エリヤはすでに来たのだ。
しかし、人々は彼の言葉を聞こうとせず、殺してしまった。

先駆者であるエリヤ、つまりバプテスマのヨハネがそんな目に遭ったのだから、
メシアであるわたしが同じように苦しみを受けて殺されるのも、当然だ。

無惨な姿をさらすけれど、そこにこそ神の御心があるのだ。

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わたしたちは自分の姿に向き合うとき、自分の弱さと罪深さに打ちのめされ、立ち直ることができません。
しかしそんなとき、主イエスが声をかけてくださるのです。

「イエスは近づき、彼らに手を触れて言われた。『起きなさい。恐れることはない。』」(17:7)

重い皮膚病の人に手を触れてくださったように、
罪人に手を触れてくださったように、
わたしたちに手を触れてくださる。

そして、声をかけてくださるのです。

「起きなさい。」
死者の世界から、罪の世界から、立ち上がりなさい。
あなたの弱さを、わたしは知っている。
起き上がってわたしに従いなさい。

「恐れることはない。」わたしが共にいる、と言ってくださるのです。
(2019年8月4日)

 

 
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